患者さんの体験談
手術に踏み切るまでの経緯
私は高校2年のある日、視力が低下したのを感じました。それまでは1.2~1.5までの視力を維持していました。
突然のことだったので驚いたというよりはショックを受けた記憶を今でも鮮明に覚えています。
その後、私の視力は衰える一方で、メガネなしには日常生活に支障をきたすまでになってしまいました。
私が近視矯正手術に踏み切ったのが2002年の8月初旬でした。それまで16年間メガネを使用してきましたが、
せめて旅行の時くらいはメガネなしで楽しみたいと思い、外出時には一日使い捨てコンタクトレンズを使用し、
宿泊先に戻るとメガネに取り替えるようにしてきました。でも、ある日メガネをかけたり、はずしたりする行為そのものに煩わしさを感じました。
以前、テレビで近視矯正手術について放映されていたのを思い出しました。その時の印象は「すばらしい!」の一言でした。しかし、自分には無理だと感じたの は「手術の状況が見える」という恐怖感でした。何しろ私は、目薬をさすのでさえ目が拒絶反応を示し(今でもそうです。)、手術に耐えられるわけないと思っ たのです。
そこで普段からお世話になっている方の紹介で江口眼科病院に行くことにしました。私自身も全国でもトップクラスの眼科病院と知っていたので、何のためらい もなく、私の目の状態等について相談を受けました。様々な検査を受けた結果、私はドライアイでコンタクトレンズに適さない目であると言われました。確かに コンタクトレンズをはずすとしばらくの間目がチクチクしたり、異物感があったり、とにかく不快な思いをしてきました。
目の健康についてのアドバイスを受けていると、担当医師が近視矯正手術も選択肢の一つとしてあることを説明してくれました。メリット、予想される副作用、 回復状態の個人差、手術方法等を丁寧に説明してくれました。そして私を手術に踏み切らせたのは「手術は痛くないし、怖くない。」ということでした。そこで 私は前向きに検討し、12月26日に手術前の検査を受けました。
手術当日から手術1ヶ月後までの経緯
2003年1月10日、手術の日が来ました。病院で受付を済ませるとすぐに様々な最終検査を受け、担当医師による説明がありました。その時、手術室に入室 後、術前の処置、手術の受け方等の丁寧な説明を受けました。ここまで来ると手術に対する不安はまったくなく、周囲の人たちから「目の手術は状況が見えるの に怖くはないのですか?何だかリラックスしているように見えますよ。」と言われたくらいでした。
看護師に呼ばれ、手術室前室で手術衣に着替え、術前処置を終えてから手術室に入りました。手術室には担当医師をはじめ、数人のスタッフがいました。手術台に座ると、目全体を消毒・洗浄等の準備に入り、手術が開始しました。
手術中、状況がぼんやりと見えるにもかかわらず、意外にも不安はありませんでした。なぜなら担当医師が優しい声で指示を出したり、状況を説明したりと、と にかくリラックスさせようと最後の最後まで気遣ってくれたからだと思います。右眼が終了し、左眼に取り掛かる時には、むしろ見える状況を楽しんだくらいで した。両目でかかった時間は20分程度だったと思います。
手術後はメガネをかけていた時よりはぼんやりはしているものの回復しているように感じました。手術後は人によっては痛みの副作用があるため、看護師から痛 み止めをもらいましたが、結局は使いませんでした。その日は何もせずに過ごすうちに、薄紙をはがすようにぼやけた文字が見えるようになってきました。恐ら く、0.8~0.9くらいに回復していたと思います。
しかし、驚いたのは翌日の朝でした。昨日までぼんやりと見えていた文字がくっきり見えるのです。思わずメガネを外す動きをしたくらいです。その瞬間は驚き 以外の何物でもありません。「見える、見える、見える...!」の言葉がつい口から出て来ました。この時の感動を今でも忘れられません。
その日の検査では、右目-1.5、左目―1.2まで回復していました。この視力は私がメガネを使用する以前において最も良かった時の状態です。正直のところ、1.0まで回復すれば良いと思っていたので、この結果に驚いたことは言うまでもありません。
それから1週間後、1ヶ月後と検査を受けてきましたが、手術翌日から変わっていません。メガネをかけていた16年間が本当に嘘のようです。今では私の手術 に興味を持って尋ねる人がたくさんいますが、皆さんは「自分もぜひ手術したいが、目の手術は状況が見えるから怖い。」と口を揃えて言います。しかし、本当 に怖くないのです。確かに不安を持つのは当然だと思いますが、わずか20分の不安を乗り切れば快適な目の状態を得ることが出来るのです。一人でも多くの人 たちが私のように良好な視力を獲得し、快適な生活を送ることを願ってやみません。